■コメント(敬称略)
●ケラリーノ・サンドロヴィッチ(NYLON100℃)
最近全っ然観に行ってないんだけど、チラシとか見ると10年くらい前となーんにも変わってない感じで、植木早苗に聞いたら本当になーんにも変わってないと言うから、それはスゴイことだと思う。
女性達が嗜好し思考し指向しているとは到底思えないような、ドライでブラックでまったく客に媚びないコント集を、「世界一の喜劇」と銘打ってやり続けるのは並大抵のことではないよ。
狂ってるとしか思えない。
●新野敏也(喜劇映画研究会)
寸劇の集積で全体をひとつのコンセプトにまとめる手法は大変おみごと!映像と演劇のリンク度、タイミング、テンポも申し分ないです。
キツイねたが意見の分かれる所と思いますが、公演毎の洗練度でクリアして下さい。
関西の宝塚、東のげんこつ団となって!
●花本理恵(R.U.P)
シュールで毒の効いた内容で、いつも楽しみにしています。期待にはずれず、毎回満足しています。
過激な内容のものもあるので、一般大衆向けではないですよね。ただ、それが劇団の目的ではないと思われるので、これからも、突き進んで行ってほしいと望みます。
●飯島理沙(映画関係者)
モンティ・パイソンの歪んだ爽快感を久しぶりに味わった。
このおもしろさは、わかる人だけに、おしえたい・・・。
●うにたもみいち(演劇ライター)
「ゲンコツ」の拳で「ダン」と殴りかかってきそうな、力強くて容赦なさそうな、固有名詞の響き。私はそこになにかしら石の如き意思の堅固さを感じる。そのうえ今どき「世界一の喜劇」を標榜するに到っては、誇大的にして古代的ともいえる。
そもそもが実のところ、先鋭的とも前衛的とも呼びうる、相当に馬鹿げたナンセンス・コントを上演しているにも関わらず、それを「諷刺喜劇」であると、敢えてアナクロニズムの規範に固執するほどであるのだからして、かくも時代と添寝する事を断固拒絶し、15年以上も独自の笑道を突き進んで来たのは、如何なる衝動によってであろうか。
なにせ、目指す先には、どんな聖杯が輝いているわけでもないのだし。せいぜいが光り輝く「禿カツラ」の、宙に浮かぶばかりなのだし。否、それどころか、この愚者どもにはゴールもなければ、見果てぬ夢さえないのだろう。ならば、ただ岩石を山頂へと運び続けるシーシュボス的実存なのか。それもまた否。
そうではなく、山頂に運ばれてはすぐに転がり落ちてゆく岩石のほうこそ、げんこつ団の正体ではないか。苔の生(む)すまで巌(いわお)となる細石(さざれいし)ではなく、苔を生じさせない転石のほうである。たとえ知る人がいなくなろうとも、気儘に転がり続けるストーン。左様に奔放に有り得るのも、「げんこつ団」が、異色にも、女性ばかしの団なればこそ、と思うは、我が偏見であろうか。
そんな軽口を叩いていると、「ゲンコツ」の拳で「ダン」とお見舞いの一撃を喰らわされてしまうだろうか?